効率的な学習

 記憶には脳の海馬と言われる部位が非常に重要な役目を持っていると言われており,神経細胞は基本的に増殖能力を持たないが,海馬の歯状回にある顆粒細胞だけは増殖するらしい。
 脳全体が生死を繰り返すと人格や記憶がコロコロ変わってしまうだろうからまあ複雑なネットワーク*1を構築するにはそれが良いのでしょう。 この海馬と呼ばれる部分は側頭葉から入ってきた膨大な情報を取捨選択して,必要な情報をまた側頭葉に送り返すという役割を持つ。 これが記憶として蓄積される。 海馬は1ヶ月ほど情報を保持して情報をチョイスした後で側頭葉に送り返すみたい。 よって,この1ヶ月の間に復習を繰り返して「この情報は重要度が高い!」と認識されればそれは記憶として保存される。


 生まれたての頃はこの海馬は未完成であるらしく,2〜3歳で大体完成するらしい。 小さい頃の記憶がほとんどないのも恐らくこのせい。 海馬の顆粒細胞は死ぬスピードも早く,3〜4ヶ月で全部の細胞が入れ替わるほどとか。 僕が読んだ本には,情報の取捨選択は想像を絶するほど過酷なのではないかと書かれていた。 確かに・・・。
 脳の大部分の細胞は増殖しない&&人間の脳の大きさはみな大差ないということから,天才と凡人の違いは結局のところ努力なのかもしれない。*2 ちなみに,頭は使えば使うほど良くなるらしく(シナプスが増える),顆粒細胞もより増殖するらしい。 タクシー運転手さん等は記憶が頼りなので,かなり海馬が発達しているそう。現に彼らは一般人に比べて記憶力がいい。 病院で会ったとあるおじいちゃんがとても記憶力が高くて,失礼な話だけどあの年齢でなんでしっかり覚えてるんだ!とか思っていたのですが,ずっとタクシーの運転手をされていたそうです。
 また,硬い物を噛むと活性化されるらしく,程よい運動もいいみたい。 逆に,ストレスや飲酒や麻薬はいくないいくないいくない。><


 記憶に関してLTP(Long Term Potentiation)というものがあって,シナプスの結合が強まることで神経伝達物質の伝達効率が向上するということがある。 脳に針を刺して(?)電気信号を送ることで人為的にLTPを発生させることもできるらしいけど,意識的にLTPの発生を助けることもできるらしい。 自分が興味を示した時や,感情が伴った時,知っているものと何か関連性があった時 など。 感情が記憶に左右することに関しては,感情をつかさどる扁桃体が刺激されることで海馬のLTPが起きやすくなる!ということが日本人によって発見された。 病気等で扁桃体を害すると重い痴呆の症状が出たりするとか。。。 あと,嬉しい楽しいだけでなく,負の感情も含まれるらしい(笑)。 悲しい思い出が鮮明に残ってたりしませんか・・・(フェードアウト


さて。 で,効率的な記憶について考えてみよう!と思ったのですが(←これが一応本題であった気がする),前置きが長くなりすぎて疲れたのでこの辺で止めます。笑
適当に箇条書き・・・

  • しっかり記憶したい場合は6時間以上の睡眠が必要らしい。
  • 一日に大量に勉強するより,複数回に分けた方がいいらしい。
  • 記憶が干渉してしまうことがあるらしいので,似たような内容を覚えようとすると過去の記憶が曖昧になったり混乱したりする
  • 興味を持って勉強しましょう
  • エビングハウス忘却曲線に見られるように,復習を行うとやはり記憶を助ける

1週間後に1回,←から3週間後,←から1ヶ月後 と,徐々に間隔をあけて3回ぐらい復習するのが理想的みたい。


過去の記憶と結びつけるように学習するといいらしいよ。
また,記憶にも階層やら種類があるし,神経細胞の動きもとても面白い*3のです。


昔,効率的な学習法を見つけようと思ってこっち系の本を手に取ったのですが,逆に脳科学に興味が出てしまいました。 ミイラとりがミイラに!
でも脳科学って敷居が高そうで入門しづらい・・・。

*1:1つの神経細胞は他の約1万個の細胞と神経線維で繋がっていて,その神経細胞は全体で約1000億個あるらしい

*2:でも,アインシュタインの脳は特異性が見られたとかいう話も耳にする。。。

*3:シナプスって隙間空いてるんだよ!とかナトリウムイオンが流れることで電気信号が伝わるんだよ!とか